今起きている円安を整理する、、、

2023年10月4日現在、日銀の介入もあり150円はどうにか突破しないようにしているドル円。こちらの記事で1年半前に書いたのだが、概ね予想通りの展開になっている。

この円安の原因は単純に日米の金利差がクローズアップされがち。アメリカはインフレ(物価上昇)が起きて、それを抑えるために金利を上げている(=過剰な借り入れを抑止して消費を抑える)。日本でもインフレは起きているが、これは原価が高騰しているために起こっている。でもそれは大なり小なりアメリカも同様なので、日本も同じように金利を上げて過剰消費の抑制をすれば良いのだけど、それができない。

色々複雑な事情はあるのだろうと思いますが、利上げ出来ないのは単純に「国の借金の利払い額が増えてしまうから」。

日本は対GDP比で260%と言われる借金をしています。GDPは歳入(国の収入)ではありません。歳入は国債(=新たな借金)を除くと80兆円弱です。ちなみに毎年30兆円程度新たな借金をしています。借金をしているので預金はできません。

2022年度のGDPが500兆円強なので、日本の借金は1300兆円程度です。これを一般家庭に置き換えると、、、

項目一般家庭日本
年収800万円80兆円
新たな借金300万円30兆円
積み上がった借金1億3000万円1300兆円
返済する借金200万円20兆円
返済する借金のうちの利息分50万円5兆円

細かい数字は違いますがおおよそこんな感じです。ちなみに貯金はゼロです。貯金に回す金もありません。外貨準備は?となりますが、これは保険のようなものでピンチの時に発動する(一般家庭で言うと地震や泥棒被害とかに遭った際に使う金)代物なので簡単に手はつけられません。

現在の借金に対する利息分は年間約0.3%です。これが1%になると単純に16.5兆円です。一般家庭では165万円です。3%になると49.5兆円です。一般家庭では495万円です。

金利が上がると利息払い分が増えるのは当然です。日本が金利を上げられない理由、、、それは利払いが増えると困るからです。

ですので金利はやっぱりもうしばらくは低いままにせざる得ません。そうすると、日米金利差は埋まらないので、どうしても円安方向になります。

正常な金利コントロールができるようになるには積み上がった借金を減らすのが正攻法です。なので一般家庭では支出を見直し新たな借金をしない・・・という至極真っ当な答えがあるのですが、それを20年間先送りにしてきたツケが今なので、その流れはそう簡単に止めることはできません。

では他の方法としてあるのが「収入を増やす」です。そしてその増やし方が「円の希薄化」であり円を大量に刷って収入を5倍くらいにしてしまうことです。

日本はラッキーなことに借金を自国民からしています。この借金を希薄化してしまう荒技(=お金を刷る)が可能な環境にあります。

それを緩やかながら粛々と行っているのが現在の日銀のフェーズという認識で良いと思っています。

最大の被害者は円資産(現金)を大量に持っている方々です。高齢者ですね。高齢者はすぐに使える資産の方が価値があるため、このような偏りになるのは当然です。

もうこれは国策なので抗いようがないです。本来であれば借金の先送りをせずに適正な歳出を20年前に行っていれば今頃でも金利コントロールができたのでしょうが、もうそれは戻れない現在に来ましたので、未来に備えてお金の仕組みを勉強する位しか小庶民にできることはありません、、、。

「山崎食パン大安売り!498円!」の時代に備えましょう!!

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