「円の価値」については今から約2年前にこちらの記事で述べていますが、基本的にはその路線を継続しています。
今月日銀は歴史的なゼロ金利解除を決断(ダダ漏れでしたが)し、「金利のある世界」が日本に戻ってきたのですが、そんな一大イベントにも関わらず、さらにアメリカでは金利引き下げのタイミングがいつ?が囁かれているにも関わらず、円安基調が全く反転しませんでした。
そう、「円の価値は今後も低くなる」と見積もられている、ということです。
これが何を示しているのか?を考えると、「通貨の価値は金利以外の要因が大きい」ということです。
この数年で最も価値の上がった通貨といえば「メキシコペソ」です。そんなメキシコの特徴は、、、
①人口ピラミッド
この図は2020年です。そして2023年では平均年齢は「29歳」です。若いです。これからです。ちなみに日本は「49歳」です。
②貿易黒字・赤字
2020年2021年と大幅な黒字となりました。その後はトントンです。日本は、、、
2021年以降は黒字転換が難しいのでは?という感じで沈んでいます。
貿易収支は安定して均衡または黒字化が期待できるという感じです。
③米中対立で漁夫の利
日本も割とその傾向はあるのですが、それ以上にメキシコは恩恵があった感じです。
もちろんメキシコペソはアメリカ金利と連動し易いので、金利も高いです。でも、金利以上にこうしたバックグラウンドが通貨価値を高めていると思います。
そして日本、、、
人口ピラミッドは絶望的で今世紀中に改善する見込みはありません。貿易も生産性向上!と声高に叫んでいますが、最もそれに寄与するはずのエネルギー生産において非常に効率の悪い方法をとっています。ローリスクはやはりローリターンなんですよね、、、。米中対立の漁夫の利はありそうなので、個別の企業に恩恵はありそうですが、日本経済全体とはならないでしょう。
金利についてもやはり「上げられない」のが国際的にバレています。こちらで記したことが自国民にバレないように粛々と進行しているというのが現実かと思います。
利払金を増やす、、、という政策を日銀は取れません。政府がそれはダメ!と抑えつけるからです。票田(=高齢者)に配慮した国内政策(=お金の使い方)は続きます。しかし出口は「円の価値を下げて借金を減らす」というステルス政策です。国民から借りている金を踏み倒すという方法です。今は多数の国民にバレていませんが、バレたら国内の円はどんどん海外通貨などに換金されて加速度的に円安になる可能性もあります。
なので、当面は10年後1ドル300円はほぼ確定路線で、1000円とか3000円とかにはならないことを祈る!みたいな感じなんだろうな、、、と思っています。