ウクライナ侵攻から約３週間。まだまだ先行きが不透明な状況です。一刻も早くこのような悲劇は終わって欲しい、、、と本当に思います。
一方で、このような状況下でも冷徹に市場は未来を予測し、価格が変動しています。この１ヶ月の各国の指数を見ながら、今後の株式市場をぼんやりと予測していきます。
アメリカ
ナスダックの指数はハイテクバブル崩壊の余波がまだある感じで下げ幅がダウよりキツいです。が、ダウは立ち直りそうな気配が見られます。世界の投資家はこのウクライナ侵攻の勝者は「アメリカ」になると考えているのではないでしょうか？
中国
中国はコロナ対策失敗で経済がストップしそう、、、というのもありますが、態度曖昧にしつつも、「ロシアに加勢する」というスタンスを習近平は崩すことはないとジャッジされているのだろう、と思います。その結果、資金の引き上げ＆流失が起きている感じです。
上記の記事からも、ウクライナ侵攻を機に、内部の派閥争いも激化してきそうで、政治的混乱がしばらく続きそうな気配がありますので、経済も混乱するのではないでしょうか？
ヨーロッパ（ロシア資源依存組）
ドイツが一応代表ということで、、、。ウクライナ侵攻で資源不足で経済が、、、と危惧されてますが、「エネルギーは別問題」という立ち回りをしており、とりあえず今のところ上手くいきそうという感じです。
とりあえず春が来るまではロシアエネルギーを頂き、暖かくなればロシアエネルギーなしでもOKな政策（恐らくフランス原発とか石炭とか）を打ち出し、次の冬に備えていくのではないか？と思います。
でも、エネルギーコストは確実に上がりますので、経済的にはあまり良くないです。ただ、今回のウクライナ侵攻でドイツは「軍事力強化」を西側からOKを貰えたのは、ドイツにとっては非常に大きな前進であったと思います。「金」と「武器」で欧州１番になり、名実ともに欧州の盟主となっていくんだろうと思います。
ヨーロッパ（ロシア資源そこまで依存していない組）
代表はイギリスでしょうか？ドイツやオランダと比較しロシアエネルギー依存が低いです。エネルギー政策的にはすでに原発に舵を切っています。まあ、イギリスは歴史的に「我が利益の道を行く」感があり、ダブルスタンダードがお家芸みたいな国ですから、あまり当てになりませんが、ドイツよりも下落幅はマシな状態です。
オーストラリア（戦地から遠い国の資源国）
まあ、これは予想通り下落幅は少ないですよね。アメリカの利上げの影響の方が強いでしょう。欧州・日本の石炭消費も期待できますから、株価は上がっていくのではないでしょうか？
日本
エネルギーは欧州のようなロシア依存度はありませんので、ウクライナ侵攻は欧州ほど酷くありません。それよりもやっぱり「利上げできない」というのがネックなのと、「中国経済の停滞」が経済の足を引っ張ると思います。原発政策や核武装についても、議論はするが決められない、、、という状態がしばらく続く、、、世界は急速に変化しそうなのですが、「茹でカエル」状態が心地良い日本人（≒選挙権ボリュームゾーン）には関係ないので、、、。
まとめ
見通しは以前から基本変わらないです。欧州の盟主をドイツにする、というのはアメリカにとって鬱陶しいフランスの立場を弱く出来る良い機会でした。ドイツはエネルギーも武器もアメリカから沢山購入しそうです。アメリカはウハウハですね。
日本も台湾問題で否応なく「武器」と「核」の議論が起こります。アメリカとしては「金を流すだけじゃなくて、いざとなれば血を流せ。」というのもあります。アメリカ世論はこの「血」に対しての感覚が2000年以降変容し、「最新武器は状況次第で安く売ってやる。でも血はお前らが流せ。」となっています。もう世界の警察ではありません。
アメリカ主導の経済政策（対ロシア・中国）は、アメリカ利益になるように設計されているのは当然で、今回のウクライナ侵攻のロシア経済封鎖は、ロシアと欧州が受ける損失が、そのままアメリカの利益になるような感じです。
ロシアはもう「詰み」な状態です。一発大逆転なら「核爆弾」ですが、実行したらロシアが地球から消滅します。プーチン含め取り巻きもそれは分かっているので、それはしないと思います。ですが、「詰み」な状態ですので、プーチン政権交代しても立ち直るためには10年以上の歳月が必要だと思います。
西側の論理に対抗する中国の動きですが、こちらは共産党が１党支配している状態が奇跡のような状況です。内部動乱は中国のお家芸です。10億人が1枚岩は無理があります。習近平は少し恨みを買い過ぎた感がありますので、そっちの対応で忙しくなるため、経済は厳しい状況になると思います。
ということで、ウクライナ侵攻でアメリカ１強がますます強化された感がある、、、というのが感想で、お金はアメリカに集まる、、、いうのが予想です。
答え合わせは1年後ということで、、、。
